初心者向けAI(人工知能)関連書籍紹介 2020年夏

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はじめに

はじめまして!株式会社KADOKAWA Connected KCS部Cloud Native課の夏目です。

 近年、第3次AIブーム の中で、企業・組織でのAI(人工知能)の導入が進んでいます。弊社KADOKAWA ConnectedでもSmartCity研究所 などでAIを利用した取り組みを進めております(具体的な取り組み内容は後日別の記事でお伝えする予定です)が、AIを利用した取り組みを行なうためには、AIに関するスキルをもった人材が必要となり、その人材を自社で育成するのが人材確保の1つの方法です。今回は私(夏目)が読んだ書籍の中から独断と偏見に基づき、主にAI関連技術の初心者向け書籍(日本語の書籍)を紹介します。読者の皆様のスキルアップや人材育成に役立てていただけますと幸いです。

書籍紹介

それでは、まずこの1冊を読むべき、という書籍を紹介します。

それは「深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト」(ISBN 978-4798157559,写真1)です(以下「公式テキスト」)。

 

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【写真1】 G検定公式テキスト

  この公式テキストはG検定シラバスに沿った内容になっています。G検定というのは一般社団法人日本ディープラーニング協会の主催する「ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する」試験となります。G検定という試験への対策の書籍ですが、初心者がAIのことを初めて学習するための書籍としても適していると思います。

 内容は、ディープラーニングを包含するAIについての定義や歴史、動向、人工知能分野の問題(トイ・プロブレムやフレーム問題など)、機械学習の手法(ランダムフォレスト、サポートベクタマシンなど)、ディープラーニングの理論および手法、ディープラーニングの応用分野(画像認識や自然言語処理など)および産業への応用事例、人工知能に関係する法律や倫理などです。私(夏目)の印象としては「広くて浅い」内容だと思いますが、人工知能研究の歴史についても言及されており、初心者が学習するには良い書籍だと思います。また、法律や倫理面の課題についても記述されているので、技術や理論という観点だけではなく実際に応用する際に留意すべき点について学ぶことができます。この公式テキストには含まれていない内容としては、TensorFlowPyTorchscikit-learnなどの機械学習のためのライブラリの使用方法があり、それらについては他の書籍等を参照する必要があります(この公式テキストはエンジニアのためではなく「ジェネラリスト」のための書籍だからです)。

 他に機械学習やディープラーニングの理論や手法については、「[図解]大学4年間のデータサイエンスが10時間でざっと学べる」( ISBN 978-4046044341,写真2)が分かりやすいです。見開き2ページに1つのトピック(例:「CNN」(畳み込みニューラルネットワーク))についての記述があり、図、グラフや表を使い、分かりやすく説明されています。

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【写真2】[図解]大学4年間のデータサイエンスが10時間でざっと学べる

 公式テキストにも簡単に産業での応用事例が載っていますが、より多くの応用事例を知りたい場合は「AI白書 2020」(ISBN 978-4049110340,写真3)の「第3章 利用動向」を参照するのがお勧めです。製造業、自動運転、インフラ、農業、医療、防犯・防災、エネルギー、教育、金融、物流、流通、行政、エンターテインメント、スポーツの各分野での事例について知ることができます。(「AI白書 2020」には、技術動向や制度政策動向についても含まれており、それらも参考になります。)

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【写真3】 AI白書 2020

 エンジニアのかたで、機械学習ライブラリを用いた実装を学習したいかたには「TensorFlowとKerasで動かしながら学ぶ ディープラーニングの仕組み ~畳み込みニューラルネットワーク徹底解説~」(ISBN 978-4839970277,写真4)がお勧めです。「TensorFlowとKerasで動かしながら学ぶ」とあるとおり、後述するGoogle Colaboratorで実行できるPythonのソースコードが豊富に記載されています。ソースコードはGitHubで公開されており、実際に試して理解できるのが良い点です。また、私(夏目)の業務の関係上、画像認識に興味があるのですが、CNNによる画像分類の解説も参考になりました。また、2019年10月にリリースされたTensorFlow バージョン2に対応しているところも良いところだと思います。

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【写真4】TensorFlowとKerasで動かしながら学ぶ ディープラーニングの仕組み ~畳み込みニューラルネットワーク徹底解説~

 TensorFlowとそれに含まれているKerasはこの書籍でカバーされていますが、他の機械学習ライブラリ(scikit-learn、PyTorch)については別の書籍を見る必要があります。それについては以下の2冊が役立つと思いますが、初心者にとってはやや難しいかもしれません。

 

  1. scikit-learnとTensorFlowによる実践機械学習(ISBN 978-4873118345)
  2. つくりながら学ぶ!PyTorchによる発展ディープラーニング(ISBN 978-4839970253)

 

 最近ではパブリッククラウドサービスにAI関連のサービスがあり、利用されています。AWS(Amazon Web Services)もいくつかのAI関連のサービスを提供しています。実際にAIを利用した情報システムを構築する際には、それらのAI関連のサービスを利用することが選択肢に上がってくると思います。AI関連のサービスの学習については「AWSでつくる AIプログラミング入門」(ISBN 978-4798059051,写真5)がお勧めです。この書籍もPythonのソースコードが載っており、実際にAWSのAIサービスを試すことができます。ソースコードは出版社のサイトからダウンロードすることもできます。この書籍の内容の対象となっているAWSのサービスは9つあり、それらを「広く浅く」試していくことができるようになっています。

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【写真5】AWSでつくる AIプログラミング入門

 さきほど私(夏目)の業務の関係上、画像認識に興味があると言いましたが、画像認識については「今すぐ試したい! 機械学習・深層学習(ディープラーニング) 画像認識プログラミングレシピ」(ISBN 978-4798056838,写真6)がお勧めです。タイトルに「画像認識」が入っていることからも分かるとおり、画像認識を軸にOpenCV、scikit-learn、PyTorch、TensorFlow(+Keras)、YOLO、Microsoft AzureのComputer Vision APIなどの幅広いライブラリ、モデルおよびクラウドサービスを扱っています。また、この書籍もPythonのソースコードが記載され、それらはGitHubからダウンロードできるようになっています。画像認識を行なう際にいろいろと実現方法の選択肢があると思いますが、そういった幅広い選択肢を知ることができ、それらを試すことができるという点でお勧めです。

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【写真6】今すぐ試したい! 機械学習・深層学習(ディープラーニング) 画像認識プログラミングレシピ

 初心者向けではありませんが、私(夏目)が購入して読んだ書籍の中では以下の書籍もお勧めです。

 

  1. Pythonではじめる教師なし学習 機械学習の可能性を広げるラベルなしデータの利用ISBN 978-4873119106
    「次元の呪い」に対抗するための「次元削減」とデータセットが一部しかラベル付けされていない場合に適用する、教師あり学習と教師なし学習の両方の利点を組み合わせた「半教師あり学習」のところが個人的には参考になると思いました。
  2. 実践GAN(ISBN 978-4839967710)
    GAN(敵対的生成ネットワーク)ついて基礎から発展、さまざまな種類のGANについて知ることができます。個人的には、この書籍についても「半教師ありGAN」が参考になります。

コードを試すツール

  書籍の中にはソースコードが載っているものもありますが、そのソースコードを入力して試すことができる便利なツールがあります。それがGoogle Colaboratoryというツールです。Google Colaboratoryは、Jupyter Notebookをベースとした環境を利用できるようにしたサービスです(Google Colaboratoryは今回紹介した書籍(書籍1書籍2)でも紹介および利用されています)。

 Google Colaboratoryを利用するにはまず以下のURLにアクセスします(Googleアカウントが必要です)。

 

https://colab.research.google.com/notebooks/welcome.ipynb?hl=ja

 

 Google Colaboratoryの詳しい使い方ですが、紹介した書籍にも説明があり、検索エンジン等で検索すると説明したサイトは数多くありますので省略します。

 画面(図1)はTensorFlowのチュートリアルにあるコードを入力して実行したものです。(なお、Jupyter Notebook形式のファイル(ipynbファイル)を開いて、それを実行することもできます。)

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【図1】Google Colaboratoryの画面

 Google Colaboratoryは無料で利用できますが制限があります。(有料のPro版もありますが、現在のところアメリカ合衆国でのみ利用できるということになっています。)

 なお、他にも(有料ですが)Amazon SageMaker NotebooksGoogle Cloud Datalab などがあります。それらでもJupyter Notebookをベースとした環境が利用できますので、それらを活用することもできます。

おわりに

 今回は書籍を紹介しましたが、KADOKAWA Connectedでは、業務に関連する書籍はもちろんのこと、自己成長につながる内容の書籍であれば所属長の許可のもとに購入することができます。皆さんもKADOKAWA Connectedで一緒に働きませんか?こちらのページからご応募お待ちしております。AI人材は現時点で新規募集はしておりませんが、ご興味がある方がいればお手数ですがオープンポジションからご応募ください。