KADOKAWA Connected ではじめての新卒チーム開発研修をフルリモートでやってみた話


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はじめに

KADOKAWA Connected でソフトウェアエンジニアをしている福地です。

2021年4月に第1期新卒として入社頂いた新卒エンジニアのチーム開発研修を5月から6月までの約2ヶ月で実施しました。

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チーム開発研修は、入社後の4月に行われた非技術研修と技術研修で学んだことの実践という位置づけです。

この記事では、人事部のサポートのもと、エンジニアによって企画・運営されたフルリモートでのチーム開発研修についてどういった内容だったのかを振り返りも兼ねて紹介したいと思います。

チームの体制と開発したもの

21新卒エンジニアとして、12名が入社をされました。

今回のチーム開発研修では、4人1チームの計3チームでチーム開発を行うこととしました。

また各チームには、メンターとして社員のエンジニアが2名ついてサポートを行うような体制です。

作るものは、チームの体制や開発期間を考慮して、「テキストベースSNS」 というシンプルなお題としました。

ルールとして最低限の要件だけを決めて、後は各チームがそれぞれ企画した機能を自由に追加してもらえるよう拡張性があってシンプルなことを基準に選択しました。

実際に完成したサービス f:id:kdx_writer:20210713112100p:plain

実際に完成したサービスは各チームの色や工夫が出ていてとてもおもしろいものばかりで、全チームとも完成度の高いサービスができたと思います。

研修テーマとゴール設定

研修において「何を作るか」は、チーム開発を実施するためのお題目として設定したに過ぎません。

チーム開発研修の企画段階では、チーム開発を通してどうなってほしいか、どういったことに取り組んでほしいかというゴール設定とそれを実現するための設計に最も力をいれました。

チーム開発研修のゴール設定

非技術研修、技術研修、チーム開発研修を通しての全体テーマとして、

現場での仕事により早くFitすることができるように、「最低限の知識」をインプットし「不安をなくす」

というものが設定されていました。

このテーマをもとにして、今回のチーム開発研修では、「最低限の知識」と 「不安をなくす」という観点でそれぞれ、以下を達成するべきゴールとしました。

  • 「最低限の知識」= 技術の深堀りよりもKADOKAWA Connected でのチーム開発を体験してもらいたい
  • 「不安をなくす」= うまくいかなくてもいいのでチーム開発を満喫してもらいたい

「最低限の知識」= 技術の深堀りよりもKADOKAWA Connected でのチーム開発を体験してもらいたい

技術面でのキャッチアップは配属後にいくらでも可能だと考えたため、期待値としては設定しませんでした。

まず、Confluence, JIRA, Git, Slack などの実務でも利用しているコミュニケーションツールをフルリモートの環境であってもチームとして使いこなせるようになることを期待値として設定しました。

またより早くFitするという観点で、KADOKAWA Connected で独自に導入している「サービス型チーム」「ロールRhythm of Business(RoB)」 も実際に体験してもらうようにしました。

サービス型チームとロール について

KADOKAWA Connected では、部単位で仕事をするのではなくマトリックス組織で仕事をしています。

そして、そのマトリックス組織を「サービス型チーム *1」と呼んでいて、 ロール(役割)とは、サービス型チームにおける役割分担の単位のことです。

各ロールは、サービス提供のバリューチェーンにおいて、どの機能に主に責任を負うのか決まっています。

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サービスチームのメンバーは自分が今どのロールを担っているのかを常に意識しながら、チームでの開発を進めています。

今回のチーム開発研修では、全員がオーナーシップをもってチーム開発を進めてもらうという目的で、サービオーナー、スクラムマスター、アーキテクト、チームビルダーという4つのロールを設定し、一人一役担ってもらうことにしました。

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Rhythm of Business(RoB) について

KADOKAWA Connected では、会議のあり方、コミュニケーションのあり方を事前に設計した上で仕事を進めています。

そして、定期的に行うミーティング(MTG)という意味で RoB という用語を使います。

RoB は単なる定例MTG設定にとどまらず、どのMTGでどのようなコミュニケーションで何を決定するのかを決め、原則として議論された内容は可視化され公開される仕組みです。

日々のチーム開発におけるRoBは、KADOKAWA Connected 流にアレンジされたスクラム開発のプロセスを指すことが多いと感じています。

今回のチーム開発研修では、概ねすべてのサービス開発チームで実践されている、日例→スプリント計画→KPT(振り返り) という RoB に沿って日々のチーム開発を行ってもらうことをルールとしました。

「不安をなくす」= うまくいかなくてもいいのでチーム開発を満喫してもらいたい

より早くFitしてもらうためには、入ったばかりでまだ良くわからないという漠然とした不安を解消することが大切です。

チーム開発研修では、不安を解消するために、うまくいかなくてもいいからチームでの開発を満喫してほしいということを強調しました。

具体的には、心理的安全性と今後の人生の財産となる同期ネットワークの醸成を最も重要なテーマと捉えて以下の目標を設定しました。

  1. とにかく楽しんでもらう
  2. 今しかできない同期との相互理解・ネットワーキング
  3. なんらかの達成感を得る(+αの期待値)

ゴールに向けた取り組み

これらの目標を達成するために用意したいくつかの取り組みについて紹介します。

チームラーニング

プロジェクトのkickoff 時に行うチームビルディングイベントの一つです。

チーム開発研修では、チームメンバーの互いの人となりや価値観を理解し合い、今後のチーム開発における認識や期待値のズレを減らす目的で初日に各チーム毎に集まって実施しました。

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働き方などについては新卒でまだ定まっていない方には、目指すスタイルを書いてみてもらいました。

ロール交流会

チーム開発という性質上どうしてもチームメンバー内の交流がメインとなってしまいます。

チームメンバー以外の同期との交流の機会として各チームのロール毎に集まってもらっての交流会を数回実施しました。

チーム外の同期と交流ができてよかったという声や、ロール交流会で得られた他チームのよいプラクティスを自チームにも取り入れられたといったところでそれなりに有意義なイベントになったかと思います。

ただ、チーム外の同期交流、チーム間交流の機会はもっとほしかったという声もあり、このあたりはリモートならではのどうしても不足しがちなコミュニケーションをどう補うかを次回へのフィードバックとして考えていければと思っています。

チームビルディング

研修後にとったアンケートでもよかったという声が多かったイベントの一つです。

各チームでチームビルダーを中心にやることを考えてアクティビティを行う時間を設けてもらいました。

やることはチームメンバー全員が楽しめて、同期理解が進む企画ならなんでもokとし、週に最低1時間はこのような時間をとってもらうようにしました。

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↑  絵を使った伝言ゲーム:Gartic Phone

その他にも、技術共有、趣味共有のLT、マーダーミステリー、コンセンサスゲーム、SOLO、ドミニオン、ワードウルフ、コードネームオンラインなどなどサービス開発の傍らでありながら、チームビルディングが特に楽しかったという声や、毎週半日近くをチームビルディングに費やして交流を深めていたチーム、メンターを巻き込んでみんなでアクティビティを楽しんだチームなどテーマに沿ったよい企画になったと感じています。

メンターオフィスアワー

週に3回1時間、メンターに直接オンラインで相談をできる場を設けました。

アドバイスやレビュー、実際の現場の話が聞けてよかった、年の近い先輩社員に頼れる方がいるという心強さが得られたなど、心理的安全性を高めることができたと思います。

オフィスアワーに限らず、業務の傍ら暖かく見守りつつ、ホスピタリティを発揮していただいたメンターの皆さん、ご協力ありがとうございました!

PMOレビュー会

新卒チームの日々のチーム開発プロセスの中でもスプリント計画は特に難易度が高いものとなっていました。

事前にKADOKAWA Connected流スクラムについての研修があり、スクラム開発がどういったものかを学ぶ機会はありましたが、やはり実践とのGapは大きく、見積もりや優先度の設定が困難、スプリント計画が時間内に終わらない、そもそも JIRA の使い方がよくわからないなど、いきなりやるにしてはもう少し情報出しや補足が必要だったかなと感じています。

今回はこのような課題に対して、PMO部(プロジェクトマネージメントオフィス)の方々にご協力を頂き、各チームのスプリント計画へ参加、レビューとフィードバックを行っていただきました。

結果的に、週を重ねるにつれ各チーム共にスプリント計画のクオリティが上がり、

  • バックログの優先度付けなどができるようになり十分な余裕をもってサービスリリースできたチーム
  • スプリント計画の時間が長引いてしまう課題に対し、事前にチケット棚卸し会を設定したチーム
  • チームのベロシティを測定、把握して無理のないスプリント計画が立てられたチーム

などなど、実際の業務でもなんら遜色のないレベルでチーム開発を進めることができていると感じることができました。

成果発表会

成果の発表会を中間の時点と最終成果報告の計2回で実施しました。

中間の成果報告後には、全チームがあらためてサービスのコンセプト見直したり、後半戦に向けたリファクタリングを行っていたりと早めのフィードバックを得ることで改善や不安の解消に活かすことができていてやってよかったと感じています。

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いずれの発表会も新卒チームのプレゼンのクオリティが高く、オブザーバーとして参加いただいた現場社員からも好評を得ることができました。

チーム開発研修をやってみて感じたこと

結果どうだったかというと、フルリモートではじめての新卒チーム開発研修としては、期待以上の成果が出せたのではないかと思っています。

体調をくずす人も、大きな事故もなく、なんといっても楽しむことと同期理解を意識して全員が同じゴールに向かってやれていると感じることができたのが大きかったです。

また、RoBやロールの大切さ、チーム開発の進め方を学べた、理解が深まったという方が多く実際にチーム開発を体験してもらって、必要最低限の知識を十分インプットしていただけたのではないかと感じています。

以下は研修後のアンケートで頂いた喜びの声です。次の新卒にもおすすめしたいかというアンケートでは、NPS 75 を獲得できました。

  • 同期理解と社内の標準とするRoBがなぜ存在するのかを理解できた
  • 同期で仲を深めることができたのが非常によかった。距離感を縮めることができた
  • 座学だけでは分からない、RoB の進め方や具体的な意義について多少なり理解ができた、何より楽しかった
  • 認識のズレ、仕事の割り振り、コミュニケーションなど、実際にチームで動いてみて初めてわかることが多かった
  • 始まる前と後とではチーム開発に対する不安感がだいぶ減った
  • 楽しく共同開発しながら、新卒同期とお互いに分かり合えたため、リモートで会う機会が少ない中でも、KADOKAWA Connected にて働くことの不安感が相当に減った
  • チームづくりを意識し、体系的に開発を進める初めての経験だったが、うまくやればうまくいくという成功体験ができた

さいごに

新卒メンバーの皆さん、

2ヶ月近くのチーム開発お疲れさまでした。これから配属先でも自信をもって活躍していってください。

第1期の新卒研修ということもあり、このような研修を設計運営した経験のある人は殆どおらず試行錯誤もありました。

そのような中でも他社のフルリモートでの研修の事例や情報は非常に参考になったので、今回の記事にしてみました。

ここまでお読みいただいた方のなにか参考となれば幸いです。

さいごに、

KADOKAWA Connectedでは、現在新卒2期生の採用活動も実施しております。

KADOKAWAグループのエンジニアリングに少しでもご興味がある新卒の方は是非エントリーください。ご応募をお待ちしております!

○2022年新卒採用(エンジニア) - 株式会社KADOKAWA Connected